『ポエムの写真館』

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アメブロ、Instagram、Facebookに「KAO-G」の<長編の詩3完結>を紹介しました。(長編の詩1.2も添えて。)

 

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「リセット」
<長編の詩3>
KAO-G

 

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「リセット」
<長編の詩2>
KAO-G

 

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「リセット」 KAO-G
<長編の詩> 
 
僕の部屋に小さな羽虫が

まぎれ込んでいた

彼は垂直に立ち上がった

冷たい壁でじっとしていた

僕は彼に気付かれないように

近付こうとした

彼は僕が近付く前に
壁から飛び立ち
小さな部屋の中を
クルクルと何周かしてから
今度は別の冷たい壁に止まった

僕はしばらくの間彼を見ていたけれど
飽きてしまって
ソファに座り読みかけの本を手に取った

その本にも飽きてしまった僕は
彼が居る筈のあの壁を見た
そこに彼は居なかった
 

なぜか気になった僕は
その場から彼を探した
彼は、ストーブの側のカーペットの上で
居心地良さそうにじっとしていた

僕は彼の為にストーブを消さずに
ベッドに入った

その日中々眠りに付けなかった僕は
彼の様子を見に行く事にした

彼はそこに居た
僕は近づいてみた
今度は彼は飛び立たなかった

僕は彼にそっと触れてみた
彼は動かなかった

僕は優しく彼をつまみ上げ
手の平に乗せ
温かい息を何度も吹きかけてみた

彼は死んでいた

僕はとても悲しくなった
涙が頬を伝って流れた
僕は自分が泣いている事に驚いた  

 彼の為に泣いている訳じゃ
無い事は分かっている
過去の全ての悲しみが
今押し寄せて来たのだ

静かな涙が嗚咽へと変わり
やがて叫びに近い声を上げて
泣いた

泣いて泣いて、
泣き疲れた頃涙が枯れた

すっかり夜が明けていた

僕は手の平の上の彼を優しく
包み込んだまま
アパートを出て、近くの街路樹の根本に
彼を埋め土に還した

僕の気持ちはすっかり晴れていた
今日も又頑張れると思った

 
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